認可外保育施設とは何?認可保育園との違いや無償化について詳しく解説

認可外保育施設とは

おもちゃの楽器のバチを持つ子供

認可外保育施設とは、国や自治体の基準を満たさず認可を受けていない保育施設のことです。しかし、すべての認可外施設が劣っているわけではなく、柔軟な運営方針や独自のプログラムを提供しているところも多くあります。特に、仕事の時間が不規則な親御さんにとっては利用しやすい選択肢となることも。このコラムでは、認可外保育施設の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

認可保育園との違い

認可保育園と認可外保育施設の大きな違いは、運営が国や自治体の基準に従っているかどうかです。認可保育園は厳しい基準をクリアしており、保育の質や安全面が保証されています。一方で、認可外保育施設はその基準に縛られないため、柔軟な運営が可能です。例えば、開園時間が長かったり、独自のカリキュラムを提供しているところもあります。ただし、その分、コストや安全面の確認が必要になることもあります。

認可外保育施設のメリット

認可外保育施設には、親のライフスタイルに合わせた柔軟な保育サービスが多くあります。例えば、長時間の保育や夜間・土日も対応している施設があり、仕事や用事で時間が不規則な家庭にとって非常に便利です。また、施設ごとに独自の保育プログラムを提供しているため、子どもの興味や成長に合わせた多彩なアクティビティを体験できることも大きな魅力です。

認可外保育施設のデメリット

認可外保育施設には、いくつか注意が必要な点があります。まず、国や自治体の厳しい基準を満たしていないため、施設によって保育の質や安全性にバラつきがあることがあります。また、保育料が全額自己負担となるため、認可保育園に比べて費用が高くなることが多いです。さらに、行政の支援が少ないため、突然の休業や運営変更のリスクがある場合もあります。

認可外保育施設を選ぶときのポイント

認可外保育施設を選ぶ際には、以下の点を確認することが大切です。

  1. 施設の安全性:保育環境や設備が安全かどうかを見学して確認しましょう。
  2. 保育士の資格や経験:保育士が資格を持っているか、経験豊富かどうかをチェック。
  3. 口コミや評判:実際に利用した親の口コミや評判を調べる。
  4. 保育方針:施設の教育方針やアクティビティが自分の育児方針に合っているかを確認。

安心して預けられる施設を選ぶために、時間をかけてしっかりと調査することが大切です。

認可外保育施設の無償化の条件

認可外保育施設が無償化の対象となるためには、以下の条件を満たす必要があります。まず、施設が都道府県に届出を行い、「認可外保育施設指導監督基準」を満たしていることが前提です。2024年9月末までは基準を満たしていなくても経過措置として無償化が適用されますが、10月以降は基準を満たさない施設は対象外となります。無償化の上限額は、0~2歳の住民税非課税世帯で月額42,000円、3~5歳で月額37,000円です。

無償化を利用するためには、自治体の保育課で「保育の必要性の認定」を受けることが必要です。また、認可保育園や認定こども園を利用できない場合が対象となります。

認可外保育施設の主な施設

認可外保育施設には、さまざまなタイプがあり、それぞれの特徴は異なります。以下が主な施設とその特徴です。

  1. 院内保育園
    病院内に設置され、医療従事者の子どもを主に対象とした保育施設。24時間対応のところが多く、夜勤や不規則な勤務に対応。

  2. 企業主導型保育園
    2016年に内閣府が開始した保育事業で、企業が従業員や地域のニーズに応じた保育サービスを提供することを目的としています。企業が施設を設置・運営し、地域の子どもも利用できる場合があります。特徴として、保育施設の整備や運営において、認可保育所と同様の助成を受けることが可能です。柔軟な保育時間が設定されており、親の就業スタイルに合わせた対応がしやすいのがメリットです。

  3. 事業所内保育施設
    企業内に設置され、従業員の子どもを預かる施設。親が近くにいるため、安心感があります。

  4. 居宅訪問型保育(ベビーシッター)
    保育者が家庭に訪問して保育を行うサービス。柔軟な時間で個別対応が可能で、特に新生児や幼児に人気です。

  5. ベビーホテル
    主に夜間や休日の預かりが可能な施設。仕事や急な用事の際に利用しやすく、24時間対応の施設も存在します。

  6. モンテッソーリやシュタイナー教育を取り入れた施設
    教育方針に基づき、子どもの自主性や創造性を育むことを重視。特に独自の教育理念を求める親に人気があります。

これらの施設は、保育時間の柔軟さや教育方針など、それぞれの家庭のニーズに合わせた特徴があります。選択する際には、家庭の生活スタイルや子どもの性格に合った施設を見つけることが大切です。

認可外保育施設の現状

令和4年度の「子ども・子育て支援推進調査研究事業」に基づく、認可外保育施設の利用者ニーズに関する調査では、認可外保育施設は、主に認可保育所に入れなかった子どもや、特定のニーズを持つ家庭の受け皿として機能しています。特にベビーホテルやベビーシッターなどは、夜間や休日にも柔軟な保育を提供しており、保護者の多様なニーズに応えています。

調査結果からは、保育の質向上に向けた努力が多くの施設で行われている一方で、人材確保の難しさや運営費用の負担といった課題が浮き彫りになりました。ICT導入や保育者の研修が今後の課題として挙げられています

参考:『認可外保育施設の利用者の保育等ニーズに関する調査 報告書』

まとめ

茶色の木製のテーブルの上で2つの色の車のプラスチックのおもちゃで遊ぶ子供

認可外保育施設は、保護者の多様なニーズに応える柔軟な保育サービスを提供しており、特に利用時間や独自のプログラムに魅力があります。しかし、安全性やコスト面での確認が重要なため、施設選びは慎重に行う必要があります。自分の家庭に合った保育サービスを選ぶことが、子どもにとっても安心で健やかな環境を提供するための一歩です。施設見学や評判の確認を通じて、信頼できる施設を選びましょう。

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