様々な保育施設がある中で、保育園に入園させたいと思っている方もいると思います。
保育園は家庭で保育が出来ない事情がある場合に入園が出来る保育施設であるため、誰でも入れるわけではないのです。
この記事では、保育園の入園条件と申込の流れを詳しく解説していきます。
目次
認可保育園に入園する条件とは?
ここでは、認可保育施設の入園条件について解説していきます。
認可保育施設とは?
- 認可保育園
- 認定こども園(保育部分)
- 小規模保育園
- 事業所内保育施設
このような保育施設で、国から許可を受けて運営している保育園を認可保育施設といいます。
入園の条件は?
認可保育園への入園条件は、保育の必要性を認められた場合に入園することが出来ます。
- 就労している場合(月48時間以上)
- 病気などによって保育が困難な場合
- 介護、看護によって保育が困難な場合
- 求職活動中の場合
- 出産によって保育が困難な場合
保育の必要性は上記のような理由がある場合、自治体に申請をして支給認定として認定が下ると保育園を利用することが出来ます。
(条件の詳細は各自治体によって異なるため、自治体の条件を確認しましょう)
認定区分は1号・2号・3号に分けられます。
・1号認定
保育の必要性が認められない3歳以上の子どもです。幼稚園利用が前提になります。
・2号認定
保育の必要性が認められる3歳以上の子どもです。
・3号認定
保育の必要性が認められる3歳未満の子どもです。
保育園の利用には、2号か3号の認定になることが必要で、それぞれ保育施設の必要時間に応じて、保育標準時間か保育短時間の認定を受けることになります。
住んでいる地域じゃなきゃだめなの?
認可保育園へ入園する場合、原則保育園がある自治体に居住している人が優先になり、他地域の人を受け入れている認可保育園は限られています。
他地域の人を受け入れる保育園も、定員に空きがあった場合のみ受け入れ可能としています。
入園申し込みの流れ
認可保育園へ入園するまでの流れを解説します。
大体どの地域でも同じような時期になりますが、地域によって詳しい時期は異なります。
ここで紹介するのは首都圏のある地域を例として解説するため、希望する地域の保育園へ入園を希望する際は、各自治体のスケジュールを確認してください。
入園までの流れ
認可保育園に入園するには、自治体で認定を受けることと入園の申込が必要です。
幼稚園のように4月に一斉に入園するというわけではないので、入園を希望する時期と締め切りを自分で確認して申込をしなくてはなりません。
締切日は希望する月の前月上旬にしている場合が多いです。
入園希望者が集中する12月~4月の入園の場合は、10月~11月が締め切りになることが多いため、注意が必要です。
<4月入園の場合の例>
10月~12月:自治体への申込締め切り
1月~2月:入園選考
2月上旬:結果通知
2月上旬:2次募集開始
3月上旬:2次募集選考結果通知
2月~3月:入園内定、面接・健康診断
4月:入園
必要な書類
入園の申込みにあたって必要になる書類の例を紹介します。
各自治体によって名称が異なる場合がありますが、参考にしてみてください。
<必ず提出するもの>
・支給認定申請書(2号認定・3号認定用)
世帯の状況、保育が必要な理由などを記入する用紙です。
・入園申込書
世帯全員の状況を記入、保育が必要な理由、希望する保育園名(第1希望~第6希望まで)、入園希望の時期、祖父母について、申込する児童の健康状態などを記入します。
・保育が必要となる証明書
就労証明書、診断書などの証明書です。
就労証明書は両親共にひつようになり、勤務先に記入してもらう箇所もあるため早めに準備が必要です。
・保育料が決定する税資料
所得によって保育料の算出が異なるため
どのように選考が行われるの?
保育園によっては定員以上の希望が出た場合、選考が行われます。
選考には申請書や必要書類の内容から項目ごとの点数が付けられ、基準指数として算出した点数と家庭の状況を配慮した調整指数によって、点数が高いほど保育の必要性があるとして入園が決められます。
点数の算出方法や同一指数だった場合の判断基準については、公開している自治体が多いので、確認をしておきましょう。
審査基準の「点数」とは?
認可保育所への入園に際して必要な「点数」、正式には「指数」と呼ばれるもので、ご家庭の状況を点数化したものです。この点数が高ければ、認可保育所への入園の可能性も高くなります。ただし、点数の基準は各自治体ごとに異なりますので、お住まいの地域の基準を確認しましょう。
多くの自治体では、ホームページなどで以前の点数データを公開しており、保育園選びに役立つ情報となります。また、役所に直接お問い合わせいただくことももちろん可能です。説明を受けることで、より正確な情報を入手できます。
指数は、以下のような項目に基づいて算出されております。
- 労働
- 求職
- 出産
- 病気
- 看護・介護
- 災害
- 職業訓練
労働や介護に費やす時間が増えるほど、指数が高くなり、入園が叶いやすくなります。具体的な状況に合わせ、入園の可否が微妙に異なることがあるため、数時間の労働時間の差や、就労や介護の日数の違いが影響することもあります。
書類の書き方のポイント
保育園入園の成功体験として、嘆願書を付けたり第1希望しか書かなかったりしたという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に嘆願書を添付することは可能ですが、同一点数だった場合に判断材料になる可能性もあります。
どうしても入園したい理由としては、
・育休が延長出来ない
・頼める親戚が近くにいない
といった、どうしても保育園に入園させなければならない事情を事実に基づいて記載することが大切です。
また第1希望しか書かないのも戦略として紹介されることがありますが、他の保育園には空きがある場合にも記載がない以上案内がされません。そのため、入園に不利になってしまう可能性も高く、おすすめ出来ることではありません。
提出する書類が多く大変ですが、不備があると公平に点数が付けられなくなったり、保育料を決定する書類に不備があったりすると、最高年収の区分になってしまう可能性もあるので、くれぐれも注意が必要です。
認可外保育園の入園条件は?
ここまで、認可保育園の入園条件について詳しく解説していきました。
第1希望は認可保育園という方が多いと思いますが、激戦区と呼ばれる地域だと認可外保育園など民間の保育施設も視野に入れておく必要があります。
認可外保育園や民間が運営する保育施設の場合は、自治体への申請や申込は不要で、直接それぞれの施設に申込を行います。
入園条件も各施設ごとに決められるため、親の就労を条件にしていない場合も多く、勤務証明などが不要な場合がほとんどです。
認可外保育園や民間の保育施設では、施設の基準で入園を判断出来て、保護者も各施設と直接契約になるため、施設に空きがあれば入園が出来ます。
保育園激戦区と呼ばれる地域だと、認可外保育園でも空きがなく待ち人数が多い保育園も多くなる傾向にあるため、早めのリサーチと準備が大切です。
認可と認可外の保育料はどのくらい?
保育園に通わせる予定の方々が気になるのは実際保育料がいくらくらいなのかですよね。ここでは認可保育園の保育料について、わかりやすく説明します。
認可保育園は、国や自治体からの支援を受けている保育園のことですよね。それに対して、認可外保育園は他の種類の保育園で、一部支援を受けている場合もありますが、基本的には自己負担が必要です。 認可外保育園では、保育料や提供されるサービス内容を自由に設定できるため、費用は一律ではないことがあります。
認可保育園の保育料は、各自治体でご家庭の収入やお子様の年齢に合わせて決められています。そのため、公立園であろうと私立園であろうと、施設ごとにお値段に大きな差はありません。収入が多いほど、またお子様が幼いほど、費用が上昇する点にお気をつけください。また、兄弟が通園する場合など、減額や免除の対象になることもあるので、確認すると良いでしょう。
一方、認可外保育園の保育料には基準がないため、各施設が自由に設定します。補助金が得られないため、一般的には保育料が比較的高額になることがあります。
認可保育園と認可外保育園の保育料の違い
◆認可保育園の保育料
- 所得やお子様の年齢などに応じて決められる
- 自治会からの助成金があるため、保護者の負担が軽減されることが多い
◆認可外保育園の保育料
- 世帯の年収などに関係なく、各保育園で設定された金額が適用される
- 自治会からの助成金がないため、保護者の保育料負担が比較的高くなる場合がある
あくまで一つの事例ですが、認可保育園の場合、月額で「35,000~55,000円」程度かかります。
それに対し、認可外保育園の場合、月額で「50,000~70,000円」程度かかると言われています。
認可保育園が費用が低いように思われるかもしれませんが、3歳から5歳児、また0歳から2歳児がいる非課税の家庭においては、保育料が無償化の制度により、無料となります。ただし、各園によっては、給食費や雑費などが別途必要となる場合もありますので、事前に確認することが必要です。
認定こども園について
「認定こども園」というのは、子どもたちの教育と保育を一緒に行う施設のことです。認定こども園は、子どもたちとその育ての一環として生まれたもので、就学前の大切な時期に新しい選択肢ができました。それが「認定こども園」と呼ばれています。
この「認定」は、各都道府県ごとに行われ、法令で詳細な基準が設けられています。国の基準も文部科学省や厚生労働省によって定められていますが、地域によってはそれに独自の基準をプラスしているところもあります。たとえば、埼玉県では、3歳以上の子どもがいるクラスの人数に制限があり、「3歳以上で4歳未満の子は20人以下(2人の先生がいる場合は35人以下も可)、4歳以上の子は35人以下」となっています。
国の基準は1学級35人以下ですが、地域ごとに子どもたちにより一層向き合えるように工夫がされているのです。他の地域でも独自の基準があるので、詳細は各都道府県のホームページなどで確認してみてください。
認可保育園と認定こども園の違い
認定こども園と認可保育園は、いくつかの違いがあります。まず、認可保育園は自治体の認可を受けて、国の補助金を受けて運営されている保育所です。これに対して、認定こども園も都道府県から認可を受けており、運営には「施設型給付費」と呼ばれる補助が使われています。
一点目の違いは、認定こども園では親が働いていない3歳以上の子どもも入園できることです。これは認可保育園とは異なるポイントであり、働いている親以外の子どもたちも利用できる柔軟性があります。
要するに、どちらも自治体や都道府県の認可を受けている施設で、国の補助金を活用していますが、認定こども園は働いていない子どもも入れるところが、認可保育園との主な違いです。
認定こども園の保育料
認定こども園の保育料は、国が設定した上限金額の範囲内で、各市町村が独自に設定します。
具体的な上限金額(月額)は以下の通りです。
- 1号認定:0~25,700円
- 2号認定:0~101,000円
- 3号認定:0~104,000円
保育料は、認定区分、子どもの年齢、兄弟の人数、世帯収入などさまざまな条件を考慮して算出されます。これによって、個々の家庭の状況に合わせて公平かつ適正な料金が設定される仕組みです。
また、地域によっては補助金制度を導入している自治体もあります。このため、自身が住んでいる地域の補助金制度や条件を確認することで、保育料の負担を軽減できる場合があります。地域ごとの具体的な支援策を確認してみると良いでしょう。
早めの準備が大切
保育園の入園条件について詳しく解説をしていきました。
入園までの間にはあまり期間がない方も中にはいると思います。
保育園も見学が出来るため、育休中に積極的に保育園の情報をリサーチして、見学や園庭開放などを利用してみるのがおすすめです。
また、自治体によって手続きの方法が異なるため、この記事を参考に早い段階から準備を開始するのがおすすめです。